「生成AIを導入したいが、社内だけでは進められない」——そこで生成AI導入支援を探し始めると、コンサルティングファーム、SIer(開発会社)、AIベンダー、伴走型サービスと、タイプの違う会社が同じ検索結果に並びます。何が違うのか、自社はどれを選ぶべきなのかが分かりにくいのが実情です。
この記事では、生成AI導入支援を 3つのタイプに整理し、それぞれの得意領域・成果物・注意点と、選び方の判断軸を解説します。
生成AI導入支援の3タイプ
支援会社の呼び方はさまざまですが、「何を主な成果物とするか」で見ると、大きく3タイプに分かれます。
タイプ1: コンサルティング型——戦略・構想の策定に強い
経営課題の整理、AI活用戦略の立案、ユースケースの洗い出し、ロードマップ策定など、「何をやるべきか」を描くことが中心のタイプです。
- 強み:経営目線での全体整理、業界知見、経営層の合意形成。全社的なAI戦略をつくる局面で力を発揮する
- 主な成果物:戦略・構想・ロードマップなどの提言(ドキュメント)
- 注意点:実装は別会社(または別契約)になることが一般的で、「絵はできたが、動くものがない」まま止まるリスクがある。提言を実行に移す体制まで含めて確認したい
タイプ2: SIer・開発会社型——要件が固まった後の開発に強い
確定した要件にもとづいてシステムを設計・開発し、納品することが中心のタイプです。
- 強み:開発リソースと品質管理。要件が明確な大規模開発や、既存システムとの本格的な連携開発で力を発揮する
- 主な成果物:要件どおりに開発されたシステム(納品物)
- 注意点:前提として要件定義が固まっている必要がある。生成AIの導入では「やってみないと要件が見えない」ことが多く、要件を固め切れないまま発注すると手戻りが起きやすい。また、納品後の業務定着・改善・運用は基本的に発注側の仕事になる
タイプ3: FDE(伴走)型——現場での実装〜成果・内製化に強い
FDE(Forward Deployed Engineer)は、エンジニアが顧客の現場に入り込み、課題の発見から実装・運用・定着までを一気通貫で伴走するタイプです(役割の詳細はFDE(Forward Deployed Engineer)とは)。
- 強み:要件が固まり切らない段階から、現場で試しながら動くもの→成果→定着へ進められる。実装の過程で得た型を残し、内製化へつなげられる
- 主な成果物:業務に定着して成果が出ている状態と、その過程で蓄積した型(テンプレート・評価の仕組み・知識基盤)
- 注意点:全社戦略の策定や、要件が完全に固まった大規模開発そのものは主戦場ではない。腰を据えた伴走が前提のため、単発のスポット作業には向かない
3タイプの比較表
| 観点 | コンサル型 | SIer・開発会社型 | FDE(伴走)型 |
|---|---|---|---|
| 中心となる問い | 何をやるべきか | どう作るか | どう成果を出し、根づかせるか |
| 主な成果物 | 戦略・構想(提言) | システム(納品物) | 成果が出ている状態+型 |
| 前提条件 | 経営課題の整理意欲 | 固まった要件 | 現場と一緒に進める体制 |
| 関与の終わり | 提言の納品 | システムの納品 | 定着・内製化への移管 |
| 向いている局面 | 全社戦略・合意形成 | 要件明確な本格開発 | 要件が固まる前〜成果・内製化まで |
| 起きがちなつまずき | 絵で止まる | 納品後に使われない | —(後述の選定基準で見極め) |
「納品後に使われない」問題の構造はAI導入がPoC止まりになる本当の理由で詳しく解説しています。
選び方の判断軸
自社の状況を次の 4 つの軸で確認すると、向いているタイプが絞れます。
- 要件は固まっているか:固まっている→SIer型が候補。固まっていない・やってみないと分からない→FDE型が候補。そもそも課題の全体整理から→コンサル型が候補
- 求めているのは「提言」か「成果」か:経営合意のための材料が必要ならコンサル型。現場の業務が実際に変わることを求めるなら、実装と定着まで踏み込むタイプを選ぶ
- 社内に実装・運用の担い手はいるか:いる→提言や納品を受けて自社で回せる。いない→定着・運用まで伴走するタイプでないと、受け取ったものが止まりやすい
- 内製化を見据えるか:将来自社で回したいなら、型・評価・知識基盤が自社に残る進め方か、卒業(移管)を前提としているかを選定基準に含める。詳しくはAI内製化の現実的なロードマップを参照
なお、これらは排他的な選択ではありません。コンサル型で描いた構想の実行パートをFDE型が担う、FDE型で成果と要件を固めてから大規模開発をSIer型に任せるといった組み合わせも現実的な進め方です。
よくある失敗と、契約前に確認したいこと
- 戦略だけで実装が進まない:提言の先の「誰が作るのか」を契約前に確認する
- 納品されたが現場で使われない:業務への組み込み・定着・運用を誰が担うのかを確認する
- 丸投げでブラックボックス化:何をどう作ったかが自社に見える進め方か、ノウハウが残る契約かを確認する
- 永続的な依存関係になる:関与の「終わり方」(移管・卒業)が設計されているかを確認する
DeploAI の FDE という選択肢
弊社(株式会社 DeploAI)は、FDE 型の生成AI導入支援を提供しています。事業を理解したエンジニアが現場に入り込み、現状診断・AI研修・活用設計・プロトタイプ・本実装・評価・定着・知識基盤構築・横断最適化・内製化移管の工程で、実装から成果が出るまでを一気通貫で伴走します(詳細はサービス内容)。
契約は 6ヶ月からのリテーナー型で、永続的なリカーリングは前提にしません。SIer のような納品・丸抱えではなく、御社が自走できる状態への移管を目指し、ノウハウ(テンプレート・評価の仕組み・知識基盤)を御社に残します(費用の考え方は料金、適用例はユースケース)。
まとめ
- 生成AI導入支援は コンサル型(提言)/SIer型(納品)/FDE型(成果と定着) の3タイプに整理できる
- 選び方の軸は「要件は固まっているか」「提言と成果のどちらを求めるか」「社内の担い手」「内製化の意向」の4つ
- 3タイプは排他ではなく、局面に応じた組み合わせも有効
- どのタイプでも、契約前に「実行は誰が担うか」「定着まで見るか」「ノウハウは残るか」「終わり方の設計」を確認する
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