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自社データをAIに使わせるには?RAG・ファインチューニング・プロンプトの使い分け

公開日: 2026.07.30 執筆: 株式会社DeploAI

「自社の情報をAIに答えさせたい」——そう考えたとき、多くの人が「AIに学習(ファインチューニング)させればいい」と思い浮かべます。しかし結論から言うと、その用途の多くは、ファインチューニングより先に RAG(必要な情報を検索して渡す方法)を検討すべきです。自社データをAIに使わせる方法は、①プロンプトに入れる・②RAG・③ファインチューニングの3つがあり、最新性・出典・口調・コスト・機密の扱いで使い分けるのが正解です。

この記事では、3つの方法の違いと、どれを選ぶかの判断軸を、実務目線で解説します。

自社データをAIに使わせる3つの方法とは?

方法は大きく3つあり、「情報をどうAIに届けるか」が異なります

  • ① プロンプトに入れる:質問と一緒に、必要な情報をその場で貼って渡す。手軽だが、渡せる量に限界があり、毎回貼る手間がかかる
  • ② RAG(検索して渡す):社内文書をデータベース化しておき、質問に関連する部分だけを検索してAIに渡す。最新情報・大量の文書に強い
  • ③ ファインチューニング(追加学習):モデル自体を追加のデータで調整し、振る舞い・口調・出力形式を教える

多くの人が③を思い浮かべますが、「社内の最新情報に、正しく答えさせたい」用途では②のRAGが第一候補になることがほとんどです。理由を順に見ていきます。

RAGとは?——「その都度、正しい情報を渡す」仕組み

RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、社内文書を検索して、質問に関連する部分だけをAIに渡してから回答させる仕組みです。AIに丸暗記させるのではなく、「回答の前に、正しい資料を手渡す」イメージです。

RAG の強みは明確です。

  • 最新・更新に強い:元の文書を差し替えれば、AIの回答も最新になる(再学習は不要)
  • 根拠(出典)を示せる:どの文書を参照したかを提示でき、確認できる
  • 機密を学習させずに済む:情報はモデルに焼き込まず、アクセス制御下の文書として扱える(安全性は生成AIのセキュリティも参照)

社内規程QA・製品情報の問い合わせ・FAQ など、内容が更新される知識を扱う用途は、ほぼRAGが適切です(作り方は社内問い合わせAI・社内RAG、土台はAIネイティブのデータ基盤)。

ファインチューニングとは?——「振る舞い・形式」を教える

ファインチューニングとは、モデル自体を追加データで学習させ、口調・出力形式・特定タスクの精度を調整することです。知識を覚えさせるより、「どう振る舞うか」を教えるのが得意分野です。

向いているのは、こんな用途です。

  • 決まった口調・文体・出力フォーマットに必ず揃えたい
  • 特定の分類・抽出・定型作業の精度を、例を大量に学ばせて上げたい

逆に不向きなのは、最新の事実知識を正確に覚えさせること。情報が変わるたびに再学習が必要でコストがかかり、少量データでは精度が出にくく、誤り(ハルシネーション)も残ります。「事実」はRAGで渡し、「振る舞い」はファインチューニングで教える——この役割分担が基本です。

結局どれを選ぶ?——判断軸と早見表

選び方は、「最新性・出典・口調/形式・データ量・機密・コスト」で決まります。まずは次の早見表で当たりをつけます。

知りたいことプロンプトRAGファインチューニング
最新情報・更新の多い知識△(都度貼る)✕(再学習が必要)
根拠・出典を示したい
口調・出力形式を揃えたい
分類・定型作業の精度
導入の手軽さ・初期コスト△(データと学習が必要)
機密・ガバナンス◎(制御しやすい)△(扱いに注意)

判断の順序はシンプルです。

  1. まずプロンプトで足りないか(少量・単発ならこれで十分)
  2. 足りなければRAG(社内の最新知識に、根拠つきで答えさせたい大半はここ)
  3. 口調・形式・特定タスクの精度が要るならファインチューニングを追加で検討

つまり、多くの「自社情報に答えさせたい」はRAGで解決し、ファインチューニングはその上に足す仕上げという位置づけです。

よくある誤解——「学習させれば賢くなる」

最も多い誤解が、「ファインチューニングすれば自社のことを何でも覚えて賢くなる」というものです。実際には、ファインチューニングは知識の丸暗記には不向きで、最新性・正確さ・出典が要る用途では期待どおりになりません。

ここを取り違えると、高コストな再学習を繰り返しても精度が上がらず、「AIは使えない」という誤った結論に至ります。多くの場合、同じ目的は RAG のほうが安く・速く・正確に実現できます。手段(ファインチューニング)が目的化していないかを、最初に見極めることが大切です。

DeploAI の FDE による選定・実装支援

弊社(株式会社 DeploAI)の FDE は、この「どの方法が適切か」の見極めから実装・定着までを伴走します。まず用途を整理し、プロンプト・RAG・ファインチューニングのどれが適切かを現状から判断。RAG ならデータ整備・アクセス制御・検索精度の評価まで、ファインチューニングなら目的に合うデータ設計まで、現場で一緒に作ります。

作って終わりにせず、精度と運用・定着まで見る(PoC止まりを避ける)ため、手段が目的化せず成果につながりやすくなります。整えたデータや仕組みは御社に残し、内製化につなげます(進め方はサービス内容、費用は料金)。

まとめ

  • 自社データをAIに使わせる方法は①プロンプト・②RAG・③ファインチューニングの3つ
  • RAGは「その都度、正しい情報を検索して渡す」仕組み。最新性・出典・機密制御に強く、社内QAや製品情報など更新される知識の大半に適する
  • ファインチューニングは「振る舞い・口調・形式」を教えるのが得意。最新の事実知識を覚えさせる用途には不向き
  • 選び方は最新性・出典・口調/形式・データ量・機密・コストで判断。順序は「プロンプト→RAG→必要ならファインチューニング」
  • 「学習させれば賢くなる」は誤解。事実はRAG、振る舞いはファインチューニングの役割分担が基本
  • 手段が目的化しないよう、用途に対する適切な方法の見極めが成果を左右する

自社データの活用方法を見極めたい方は、現状診断からの無料相談へどうぞ。関連記事:社内問い合わせAI・社内RAGの作り方AIネイティブのデータ基盤とは企業の生成AI活用のセキュリティ

よくある質問

自社データをAIに使わせる方法にはどんな種類がありますか?
大きく3つあります。①プロンプトに直接入れる(その場で必要な情報を都度渡す)、②RAG(社内文書を検索して関連部分だけをAIに渡す)、③ファインチューニング(モデル自体を追加学習させて振る舞いや形式を教える)。目的・更新頻度・コスト・機密の扱いによって使い分けます。多くの「社内情報に答えさせたい」用途では、まずRAGが第一候補になります。
RAGとファインチューニングはどちらを選べばいいですか?
「最新の事実に、根拠(出典)つきで答えさせたい」ならRAGが向きます。社内規程・製品情報・FAQなど、内容が更新される知識を扱う用途はRAGが基本です。一方「決まった口調や出力形式に揃えたい」「特定の分類・定型作業の精度を上げたい」ならファインチューニングが向きます。両者は排他ではなく、RAGで知識を渡しつつ形式をファインチューニングで整える、と組み合わせることもあります。
「ファインチューニングすれば自社のことを何でも覚える」というのは本当ですか?
誤解であることが多いです。ファインチューニングは主に「振る舞い・口調・形式」を教えるのが得意で、最新の事実知識を正確に覚えさせる用途には不向きです。情報が更新されるたびに再学習が必要でコストがかかり、少量データでは精度が出にくく誤り(ハルシネーション)も残ります。最新情報や根拠提示が要る用途は、RAGで「その都度、正しい情報を渡す」ほうが確実です。
DeploAIのFDEはこの選定と実装をどう支援しますか?
DeploAI の FDE(Forward Deployed Engineer)は、まず「その用途にRAG・ファインチューニング・プロンプトのどれが適切か」を現状から見極めます。RAGならデータ整備・アクセス制御・検索精度の評価まで、ファインチューニングなら目的に合うデータ設計まで、現場で伴走します。作って終わりにせず、精度と運用・定着まで見るため、手段が目的化せず成果につながりやすくなります。

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DeploAI の FDE は、フロント部門の AI 化を「実装」から「成果が出るまで」伴走します。課題の整理だけでも、お気軽にどうぞ。